テーパーコアBCP325T
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テーパーコアBCP325Tとは
上下の柱外径が異なる場合、断面を変更するために使用する高性能冷間プレス成形角形鋼管です。
平坦部のみならず角部を含めて高い靭性を保証したBCP325Tの規格で製造され、国土交通大臣の認定品です。
UコラムW-BCP325T(日鉄建材株式会社製)と組み合わせて柱断面を変更する場合に使用します。
製品の特徴
概要 | テーパーコア製品に角部の靭性が保証されています。 |
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設計規準強度 | 「種類の記号・鋼種」「規準強度(F値:N/mm2)」ともに別表にて記載 |
用途 | 冷間プレス成形角形鋼管(BCP)の柱材用 冷間ロール成形角形鋼管(BCR)の柱材用 |
特徴 | 1.テーパーコアBCPの使用により、以下の性能が確保できます。 (1)テーパーコアBCP325Tは、平坦部でのみ27J(0℃)の靭性を保証しておりましたが、BCP325T規格のテーパーコアBCP325Tは角部・平坦部ともに70J(0℃)を保証しています。 (2)「マグ溶接熱影響部靭性指標」を0.58%以下に抑えることで、溶接熱影響部の靭性に配慮しています。 (3)テーパーコアBCP325Tとダイアフラム、およびUコラムW-BCP325Tの柱とダイアフラムの溶接に「NBFW法」を適用することで、柱およびコア(パネル)の終局状態においても安定的で十分延性に富む破壊となり、柱としての優れた塑性変形性能の確保が可能です。 (4)以上の性能により、BCP325Tに「NBFW法」を適用することで、冷間成形角形鋼管に課されている柱部材の応力割り増し、耐力低減などの制約が不要となります。 |
NBFW法 |
「NBFW法」を適用することで、たとえ溶接部に亀裂が発生しても脆性的破断にいたらず、柱部材としての十分な塑性変形能力の実現が可能です。
|
種類の記号・鋼種 | 規準強度(F値:N/mm2) |
---|---|
BCP235T(490N/mm2) | 325 |
テーパーコアを使用したパネルの設計については、 (社)日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」が参考になります。 |
製品の形状
化学成分
C 上限 (%) |
Si 上限 (%) |
Mn 上限 (%) |
P 上限 (%) |
S 上限 (%) |
N 上限 (%) |
炭素当量 上限 (%) |
溶接割れ 感受性 組成上限 (%) |
マグ溶接 熱影響部 靱性指数 上限(f Haz) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.18 | 0.55 | 1.60 | 0.020 | 0.005 | 0.006 | 0.44 | 0.29 | 0.58 |
【備考】
- 必要に応じて、上記以外の合金元素を添加できる。
- 受渡当事者の協定により、炭素当量の代わりに溶接割れ感受性組成を適用できる。
- マグ溶接熱影響部靱性指数
(fHAZ)は、「先端技術による新しい鋼構造建築システムの開発」「建築構造用溶接材料と溶接接合部性能評価法の確立」最終報告書からの引用であり、その変更が生じた場合には、それに準じる。
炭素当量(Ceq)・溶接割れ感受性組成(PCM)・マグ溶接影響部靱性指数(fHA)は次の式による。
(1)炭素当量(%)=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(2)溶接割れ感受性組織(%)=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
(3)マグ溶接熱影響部靱性指数(fHAZ)(%)=C+Mn/8+6(P+S)+12N-4Ti
(Nはトータル窒素、Ti≦0.005%のときTi=0とする。)
機械的性質
衝撃試験 | |||||
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板厚 (mm) |
降伏点または耐力 (N/mm2)下限~上限 |
引張強さ (N/mm2)下限~上限 |
降伏比(%) 上限 |
伸び | |
試験片 | (%)下限 | ||||
12≦t≦40 | 325~445 | 490~610 | 80 | 1A号 | 21 |
角部の引張試験結果は、溶接部のワイヤ/フラックスの選定、溶接条件設定に役立つよう引張強さと伸びを参考に報告する。
衝撃試験 | |||||
---|---|---|---|---|---|
板厚 (mm) |
試験片採取位置 | 試験温度(℃) | シャルピー 吸収エネルギー(J) 下限 |
試験片 | |
12≦t≦40 | 平板部 | 0 | 70 | Vノッチ長さ方向 | |
角部 | 0 |
材料の都合によって標準寸法(10mm正方形断面)が採取できない場合は、幅が7.5mmのサブサイズを使用できる。
その場合の吸収エネルギーは、52J以上とする
項目および区分 | 寸法許容差 |
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辺の長さ | ±1.0%かつ±3.0mm |
各辺の平板部部分の凹凸 | 辺の長さの0.5%以下かつ3mm以下 |
隣り合った平板部分のなす角度 | ±1.0度 |
長さ | -0.0 +規定せず |
【曲がり】製品長さ9m未満 | 全長の1/1500以下 |
【曲がり】製品長さ9m≦ | 全長の1/1250以下 |
ねじれ | [1.5×辺の長さ(mm)/1000]×全長(m)mm以下 |
【厚さ】12mm以上16mm未満 | -0.3mm +1.0mm |
【厚さ】16mm以上25mm未満 | -0.3mm +1.2mm |
【厚さ】25mm以上40mm以下 | -0.3mm +1.3mm |
- 平板部分とは角部の曲率部分を除く平坦な板部分をいう。
- 各辺の平板部分の凹凸および隣り合った平板部分のなす角度は、溶接の余盛り部分を除いた位置で測定する。
- 板厚の許容差は、平板部分の溶接余盛り部分を除いた部分に適用する。
項目および区分 | 曲率半径標準値 | 寸法許容差 | |
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BCP325T | 12<t≦40 | 3.5t | ±0.4t |
- 角部外側の曲率半径とは、右図に示すように隣り合う辺と45度をなす線と角部外側の交点での曲率半径をいう。
- 角部外側の曲率半径は、上記交点を中心とする65度の範囲で測定する。
- 受渡当事者間の協定によって、曲率半径標準値より大きな曲率半径を設定できる。
ただし、この場合の寸法許容差は上表による。